縦書きと横書き、書きやすいのはどっち?
世の中に存在する文章には、縦書きと横書きがありますね。
その、縦書きと横書きを併用しているのは日本語だけだとか。
私は、文章は縦書きの方がスラスラと書きやすい気がします。
もともと中国から伝わった「漢字」が縦書きで、そこから派生したひらがなやカタカナも縦書き用に生まれたときけば、私が縦書きを書きやすいと感じるのも納得です。
そんな縦書き文化の日本語に、横書きが加わったのは近代になってからのこと。
昔は、右から順に読むスタイルもありましたね。
18世紀後半に蘭学が知られてから、出版物としての横書きが使われるようになりましたが、まだまだ右から読んだり左から読んだりとバラバラだったようです。
現在のように横書きを左から読むようになったのは戦後、「公用文の作成要領」(1952年)の通達からです。
江戸から明治の時代に、アルファベットで横書きされた欧米の文書を翻訳したものが出回ったことも横書きが広まる大きなきっかけだったことは安易に想像できます。
このころから、徐々に文章を横に向かって書いていく手法が広がりました。
確かに、アルファベットを縦書きするには難があります。
数字においても、算用数字100、12345など羅列する場合は、縦書きよりも横書きの方が圧倒的に書きやすく、一目でわかりやすい気がします。
私たち日本人は、学校教育において縦書き横書きのどちらも読み書きできるように教育を受けます。
スピード重視で読むのは横書き、じっくり熟読するのは縦書きなどそれぞれの向きがあるようです。
重要なものごとは縦書きにした方が記憶に残るという考え方もあるようです。
日本から縦書きの文化が無くなることなく今も新聞、書籍、教科書などさまざまな媒体で利用されているところは、なんでも取り入れ大切に育む日本らしさを感じます。
昔は文字を書くための道具は「筆」で、縦書きが筆での自然な動きができる書き方だったのかもしれません。
しかし現在、文字を書くための道具はざまざまです。
筆はもちろん、万年筆、鉛筆、ボールペン、マーカーペン、シャープペンシルなどTPOに応じて選びたい放題ではないでしょうか。
ボールペンやマーカーペンなどは、縦書き横書きを問わず図画なども違和感なく書ける道具です。
いまや、筆の代わりに筆ペンが登場し、墨を使って書く毛筆はお正月ぐらいでしょうか?
年賀状や冠婚葬祭のご祝儀などの記名には、筆ペンを使いますが、普段使いしている方は少ないのではないかと思います。
ボールペンやシャープペンシルが主流になると、むしろ横書きの方が書きやすい気がしています。
漢数字より算用数字を使うことが多くなり、ますます横書きの文化に押され気味の手書き文字。
書きやすいのは文字の特徴だけではなく道具にも関係しているのだと改めて感じました。